PrintNextについて

■ご挨拶

PrintNext2016運営委員長 滝澤 光正

滝澤光正 低成長社会のもと金融経済化していく先進国の中で、日本は一つの先行モデルであるとする説があります。バブル経済のいち早い出現とその崩壊、その後の史上最低金利の継続や長期デフレなどは、今後の世界資本主義がぶつかるであろう問題を世界に先駆けて経験したものだといわれています。一人あたりGDPの国際比較でみても、日本は1995年の世界第3位をピークに、2013年は第19位にまで下落してしまいました。

さらに、急激な近代化がもたらした過去の爆発的な人口増加は、今となっては他の国がどこも経験していないほどの超高齢化社会を迎えることとなり、世界人口が増加していく今後においても、日本は先進国のトップをきって人口減少局面に入っていることはもはや誰もが認識しているところです。

もはやいっときの大量生産型ビジネスモデルによる世界経済の牽引役としての日本はその役割を終え、今後は成熟社会における経済の課題にまっさきに直面している立場で、共同参画社会を実現し、想像力と知性を動員して新しい付加価値を生み、新しい市場のかたち、経済のかたちを世界に先駆けてつくりだしていくことが求められているといえるのではないでしょうか。

東日本大震災後に世界が陶酔した日本人の利他の精神、それを基底にしたものづくりやおもてなしの心などは、日本人がお互い当たり前に持ち合わせているがゆえ気がつかなかった世界に誇れる日本の価値だといえるでしょう。

私たち青年印刷人も従来のink on paper、情報加工産業としての役割を超え、それぞれが当事者として問題意識を持ち、成熟社会における日本の新たな価値創造へ果敢に挑戦しなければなりません。いままで培ってきた知の蓄積、日々の業務を通じて築いた多様なネットワークを活かした戦略で、日本が今後も国際社会の中で尊敬の眼差しをもって迎えられるよう、青年印刷人一人ひとりが変革の原動力としてその一翼を担っていくべきです。

PrintNext運営委員会は以上のような現状認識に立ち、今回の開催テーマを「新しい価値創造への挑戦!~印刷から始める、日本の新時代~」としました。

参加者一人ひとりが新しい時代のリーダーとして共に学び切磋琢磨し、業界の新しい役割、資本主義経済の新たな局面を迎える日本の新しい姿を創造する決意をもってPrintNext2016を開催します。

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